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【新型DURA-ACE WH-R9370】カーボンスポーク採用で大幅進化!シマノが追求するホイールの理想とは?

こんにちは!スタッフ大串です!

 

今回は、シマノの最新ロードホイール、「DURA-ACE WH-R9370シリーズ」をご紹介します!

 

従来モデルのWH-R9270シリーズから、リム、スポーク、ハブのすべてが見直され、大幅な進化を遂げました。

 

中でも注目したいのが、新たに採用されたカーボンスポークと、長年採用されてきたカップ&コーンベアリングの進化です。

 

シマノが目指したのは、単純な軽さや空気抵抗の小ささだけではありません。

 

「空力性能」「剛性」「重量」の3要素を高い次元でバランスさせること。

 

今回は、新型WH-R9370シリーズの進化を、パーツごとに詳しく見ていきましょう!

 


1. ハブの進化|シマノがカップ&コーンにこだわり続ける理由

 

 

新型WH-R9370シリーズでは、従来から引き続きカップ&コーンベアリングが採用されています。

 

多くの高級カーボンホイールがカートリッジ式の圧入ベアリングを採用する中、なぜシマノはこの構造を選び続けるのでしょうか?

〜カップ&コーンと圧入ベアリングの違い〜

 

 

一般的なカートリッジ式ベアリングは、内輪・外輪・ボールなどを一体化した部品をハブに組み込む構造です。

 

一方、カップ&コーンは、ハブ側の玉受け(カップ)と車軸側の玉押し(コーン)の間にボールを配置し、玉当たりを調整する構造になっています。

 

比較項目 カップ&コーン カートリッジ式
荷重への対応 軸方向・径方向の荷重に対応 ベアリングの形式による
回転の調整 玉当たりを微調整できる 通常は内部調整不可
メンテナンス 分解・清掃・グリス交換が可能 ベアリング単位で交換
耐久性 適切な整備で長期間使用可能 品質や使用環境による
整備の手軽さ 専門的な調整が必要 比較的交換しやすい

 

優位性① 横方向の荷重に強い構造

 

ロードバイクのホイールには、上下方向だけでなく、コーナリングやダンシング時に横方向の力も加わります。

 

シマノのカップ&コーンベアリングは、アンギュラコンタクト構造を採用しており、径方向と軸方向の荷重を効率よく受け止められる設計になっています。

 

これにより、高負荷時にも安定した回転を維持しやすくなっています。

 

カートリッジ式にもアンギュラコンタクト型は存在しますが、ハブ全体として荷重への対応を最適化できることがシマノの強みです。

 

〜優位性② 玉当たり調整によって回転精度を追求できる〜

 

カップ&コーンの特徴のひとつが、ベアリングの玉当たりを調整できることです。 

 

ベアリングには、回転を妨げない適切な内部の隙間や予圧が求められます。

 

調整がきつすぎると回転抵抗や摩耗が増え、反対に緩すぎるとガタが発生する可能性があります。

 

カップ&コーンであれば、こうした状態を確認しながら適切な玉当たりに調整できます。

 

つまり、整備によって回転状態を細かく管理できるというメリットがあります。

 

〜優位性③ メンテナンスによって長く使い続けられる〜

 

 

高性能なホイールは、購入した瞬間だけでなく、長く使用したときの性能も重要です。

 

カップ&コーンは、分解して内部の状態を確認し、グリスを交換したり、必要に応じて部品を交換したりできる構造です。

 

そして今回のWH-R9370では、従来モデルからさらに進化したポイントがあります。

 

それが、ベアリングの玉受けを交換できる構造になったこと。

 

従来の一部モデルでは、ハブ本体側の玉受けが傷んでしまうと修理が難しくなる場合がありました。

 

新型では交換可能なベアリングカップを採用し、防水シールも強化されています。

単に性能を高めるだけでなく、長く使い続けられることまで考えた設計ですね。

 

〜優位性④ 高性能を維持するための設計〜

 

ハブの性能は、ベアリングの回転抵抗だけで決まるものではありません。

 

防水性、耐久性、荷重への対応、メンテナンス性なども重要です。

 

カップ&コーンは定期的な整備を必要としますが、適切なメンテナンスを行うことで、良好な回転状態を長期間維持できます。

 

また、カートリッジ式はベアリング交換が容易というメリットがあり、どちらにも合理性があります。

 

新型WH-R9370は、初期性能だけでなく、長期間にわたって高性能を維持することを重視したホイールと言えるでしょう。

 

なお、リアハブには「DIRECT ENGAGEMENT」も採用され、確実なパワー伝達を追求しています。


2. スポークの進化|待望のカーボンスポークを採用!

 

 

今回のWH-R9370シリーズで、最も大きな変更点と言えるのがスポークです。

 

従来のWH-R9270シリーズではステンレス製スポークが採用されていましたが、新型では専用設計のカーボンスポークに変更されました。

 

〜優位性① 軽量化による加速性能の向上〜

 

カーボンスポークの代表的なメリットは、その軽さです。

 

カーボン繊維強化樹脂は、一般的にステンレスよりも密度が低く、高い強度や剛性を確保しながら軽量化できる素材です。

 

スポークはホイールの外周に向かって配置されるため、重量を削減することでホイール全体の軽量化に貢献します。

 

特に加速や登坂など、速度変化の多い場面では軽量化の恩恵が期待できます。

 

WH-R9370シリーズでは、スポークだけでなくリムのカーボン積層やハブも最適化することで、大幅な軽量化を実現しています。

〜優位性② 剛性と重量のバランス〜

 

カーボンの魅力は、ただ軽いことだけではありません。

 

繊維の向きや積層構造を工夫することで、求められる方向に高い剛性を持たせやすいという特徴があります。

 

スポークに必要な引張方向の剛性を確保しながら、重量を抑える設計が可能です。

 

一方、ステンレススポークは耐衝撃性や整備のしやすさなどに優れています。

 

カーボンスポークは素材の特性を活かすことで、軽量性と高い剛性を両立しやすいことがメリットです。

 

ただし、完成したホイールの剛性は、スポーク本数や配置、リムの剛性なども含めたトータル設計によって決まります。

〜優位性③ 空力性能を考えた専用形状〜

 

 

新型DURA-ACEのカーボンスポークには、用途に応じた2種類の形状が用意されています。

 

スポーク 幅 厚さ
Aero Carbon 4.0mm 1.1mm
Super Aero Carbon 5.2mm 0.8mm

 

C36・C50・C60にはAero Carbonを、タイムトライアル向けのC99にはSuper Aero Carbonを採用しています。

 

カーボンスポークは成形の自由度が高く、幅や厚みを調整できるため、空気抵抗を抑える断面形状と必要な剛性を両立させやすくなっています。

 

〜優位性④ モデルごとのスポーク本数を最適化〜

 

今回のWH-R9370シリーズでは、モデルごとにスポーク構成も最適化されています。

 

軽量性を追求するC36ではフロント18本、リア21本。

 

一方、高速域や高負荷での走行を重視するC60ではフロント21本、リア24本を採用しています。

 

必要な剛性や空力性能に合わせて、スポークの本数と配置まで調整されているんです。

 

単にステンレススポークをカーボンに置き換えたのではなく、ホイール全体の設計を見直したことが分かります。


3. リムの進化|リムハイトごとに異なる幅を採用!

 

 

続いてご紹介するのがカーボンリムです。

 

今回のWH-R9370シリーズでは、リムハイトだけでなく、リムの外幅もモデルごとに最適化されています。

 

さらに注目したいのが、フロントとリアで異なるリム幅を採用しているモデルがあることです。

〜リム幅を比較してみましょう〜

 

 

モデル リムハイト フロント外幅 リア外幅
C36 36mm 29.4mm 29.4mm
C50 50mm 31.0mm 32.0mm
C60 60mm 31.5mm 32.3mm
C99 99mm 35.2mm —

 ※C99はフロントホイール。全モデルのリム内幅は23mmです。

 

リムハイトが高くなるほど外幅も広くなる傾向にあります。

 

これは空力性能や重量、剛性などを考慮して設計されているためです。

 

〜なぜリムハイトごとに幅を変えるのか?〜

 

ホイールの空気抵抗は、リムハイトだけで決まるわけではありません。

 

タイヤとリムのつながりや、横風を受けた際の空気の流れなど、さまざまな要素が影響します。

 

特に現代のロードレースでは28〜30Cのタイヤが広く使用されており、タイヤの装着幅や形状を考慮したリム設計が重要になっています。

 

今回のWH-R9370シリーズでは、すべてのモデルでリム内幅を従来の21mmから23mmへと拡大。

 

タイヤの支持剛性や転がり抵抗、空力性能などを考慮した設計となっています。

C36|軽さと扱いやすさを重視 

 

 

C36は、シリーズの中でも軽量性を重視したモデルです。

 

外幅を前後29.4mmとすることで、空力性能を確保しつつ、重量を抑えた構成になっています。

 

36mmという比較的低いリムハイトながら、シマノによる200万回以上の形状シミュレーションを経て、従来モデル比で約7%の空力性能向上を実現しています。

 

ヒルクライムだけでなく、アップダウンの多いコースでも活躍しそうですね。

C50|オールラウンド性能を追求

 

 

C50ではフロント31mm、リア32mmという異なるリム幅を採用。

 

50mmハイトによる空力性能と、さまざまなコースで使いやすい重量・剛性のバランスを追求しています。

 

540万回を超える形状シミュレーションによって、従来モデルから約6%のエアロ性能向上を実現しています。

 

平坦から登坂まで幅広く走る方には、特に注目していただきたいモデルです。

C60|高速巡航とスプリントに特化

 

 

C60では、フロント31.5mm、リア32.3mmと、さらに幅広いリム形状を採用。

 

60mmのディープリムによって、高速域での空気抵抗低減を追求しています。

 

加えて、リアのスポーク本数を24本とすることで、高負荷でのペダリングに対応する剛性も確保しています。

 

650万回以上の形状シミュレーションを経て、従来モデル比で約9%の空力性能向上を実現しています。

 

高速巡航やスプリントを重視するライダーに適したモデルです。

※空力性能の改善率はシマノ公表の比較値であり、走行時の総抵抗や速度が同じ割合で改善することを意味するものではありません。


4. シマノの素材へのこだわり|軽さだけが正解ではない

 

ここまでハブ、スポーク、リムの進化をご紹介しましたが、個人的に注目したいのは、シマノの素材に対する考え方です。

 

近年のスポーツバイク業界では、カーボンやチタン、セラミックなど、さまざまな高性能素材が使用されています。

 

しかし、素材が高価だからといって、必ずしも完成した製品の性能が高くなるわけではありません。

 

重要なのは、その部品に求められる性能に対して、適切な素材を選択すること。

 

これは、今回のWH-R9370シリーズにも表れている考え方だと思います。

 

カーボン|軽量性と設計自由度を活かす

 

リムとスポークにはカーボンを採用。

 

カーボンは繊維の方向や積層方法を工夫することで、必要な剛性や強度を確保しながら重量を抑えられる素材です。

 

特にリムでは、ただカーボンを薄くして軽量化するのではなく、用途に合わせて積層構造を最適化しています。

 

スポークについても、カーボンの軽さや成形自由度を活かし、空力性能と剛性のバランスを追求しています。

金属|耐久性と精度が必要な部分に

 

一方、ハブのベアリング部分には、精度や摩耗への耐性が求められます。

 

こうした部分では、材料の硬さ、寸法精度、表面処理、潤滑状態などが重要になります。

 

単純な軽量化だけを優先すると、耐久性や整備性に影響する可能性もあります。

 

シマノがカップ&コーンを採用し続けているのは、回転性能だけでなく、耐久性と整備性を含めた総合性能を重視しているからだと考えられます。

 

〜セラミックベアリングを採用しない理由は?

 

高級ホイールでは、セラミックベアリングを採用している製品もあります。

 

セラミックは硬度が高く、適切に設計されたベアリングでは摩擦損失の低減が期待できます。

 

ただし、ベアリングの回転抵抗は素材だけで決まるものではありません。

 

実際には、シールの接触抵抗、グリスの粘度、内部荷重、組み付け精度なども大きく影響します。

 

そのため、セラミックベアリングを使用しているからといって、必ずしも実走行で回転抵抗が小さくなるとは限りません。

 

興味深いのが、WH-R9370シリーズのハブに関する比較試験です。

 

公表された資料によると、一般的なカートリッジベアリングとの比較で、所定の荷重を加えた条件において、回転トルクを30%低減したとされています。

 

これは特定の試験条件における結果であり、すべてのカートリッジ式ハブに対して30%優れているという意味ではありません。

 

それでも、ベアリングの素材だけに頼らず、ハブ構造全体を最適化することで回転抵抗の低減を追求している点は注目に値します。

 

シマノの考える高性能とは、軽量性、回転性能、耐久性、メンテナンス性を総合的に高めること。

 

今回のWH-R9370シリーズは、その思想がよく表れたホイールだと思います。


5. WH-R9370シリーズのラインナップ

 

最後に各モデルの特徴と重量を比較してみましょう!

 

モデル 重量 特徴
C36 1,172g ヒルクライム・軽量性重視
C50 1,302g オールラウンド
C60 1,391g 高速巡航・スプリント
C99 788g タイムトライアル・トライアスロン

※重量は公称値。C36・C50・C60は前後セット、C99はフロント単体です。

 

従来モデルと比較すると、C36は約178g、C50は約159g、C60は約218gもの軽量化を実現しています。

 

スポークをカーボンに変更しただけでなく、リムの積層構造やハブまで見直したことで、この軽量化が実現しています。


まとめ|シマノらしい進化を遂げた新型DURA-ACE

 

いかがでしたでしょうか?

 

今回のWH-R9370シリーズは、単に軽量化しただけのホイールではありません。

 

カーボンスポークの採用による軽量性と剛性バランスの向上、リムハイトに合わせた専用設計、そしてメンテナンス性と耐久性をさらに高めたカップ&コーンハブ。

 

それぞれのパーツが独立して進化したのではなく、ホイール全体として性能を最大限に引き出せるよう設計されています。

 

特に、交換可能なベアリングカップを採用したハブは、長年使用することを考えると非常に魅力的なポイントです。

 

最新素材を取り入れながらも、長年培ってきた技術を大切にする。

 

必要な部分には新しい素材を採用し、優れた従来技術はさらに磨き上げる。

 

そんなシマノらしいものづくりが感じられる製品だと思います。

 

 

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特別に試乗料金もかからないので、この機会に是非どうぞ!

 

ホイールのアップグレードをご検討中の方、WH-R9370シリーズが気になる方は、ぜひB-shop OCHIまでお気軽にご相談ください!

 

皆様のご来店をお待ちしております!


Meet the Writer この記事を書いたスタッフ!

大串 勇人メカニック

こんにちは、メカニック/販売担当の大串勇人です。お店の中ではEバイクや輪行、バイクパッキングなど、レースよりも緩めのサイクリングを担当しているので、以上の相談はぜひおまかせ下さい。趣味は景色を見る事で、自転車以外にも歩きや電車、ゲームの中など、風景を眺めるのが好きです。おすすめの場所などございましたら是非気軽にお声かけください!

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